普段開発よりの仕事をしている自分ですが、Windows Server 2008 R2 フェールオーバークラスタリングのインストールと構成をHyper-V2.0 上で行ってみました。負荷分散同様、一度構築してみたかったので。そのときの手順の覚書を記載します。ディスクはiSCSIターゲットを使用しています。構築環境の情報を記載します。

  • Hyper-V2.0にWindows Server 2008 R2 の ドメインコントローラーとメンバサーバーを構築
  • フェールオーバークラスタをセットアップするメンバサーバーはドメインに参加済み
  • ディスクはQNAP 239 ProⅡ+ 上に作成したiSCSIターゲットを使用

Domain Admins メンバーで作業を実施しています。Doman Users メンバーで、各サーバーのローカルAdministratorsに所属していれば設定を行えると思います。

1. 事前設定

iSCSI ターゲットをQNAP 上に次の図のように作成しています。パスワードなしのiSCSIターゲットにクォーラム用のディスクとデータ用ディスク(ファイル共有で使用予定)の2つのLUNをマップしています。

続いて、フェールオーバークラスタリングを実装する各サーバーのiSCSIイニシエーターを設定して下図(ディスク1,ディスク2)のようにオフラインでディスクに接続した状態にしておきます。iSCSIイニシエーターの設定でサーバーを起動すると自動的に接続を行うように設定しておいてください。ディスクをフォーマットしていない場合は一度オフラインにしてフォーマットをしておいてください。

以上で事前セットアップの完了です。フェールオーバークラスタの機能のインストールとセットアップを実施します。

2. フェールオーバークラスタリング機能のインストールとセットアップ

各サーバーでフェールオーバークラスタリングの機能をインストールします。サーバーマネージャーを起動し、下図のように機能から機能の追加をクリックします。

機能の追加ウィザード画面が表示されます。フェールオーバー クラスタリング にチェックをして次へボタンをクリックします。

インストールオプションの確認画面が表示されます。インストールをクリックします。

インストールの結果画面が表示されます。閉じるボタンをクリックします。

上記手順を各フェールオーバークラスタリングを実装するサーバーで行います。

3. フェールオーバークラスタリングのセットアップ

構成の検証を実施してから、クラスターの作成を行います。最初に、フェールオーバークラスターマネージャーを起動します。管理ツールのフェールオーバークラスターマネージャーをクリックします。構成の検証を行います。下図の中央ペインの管理セクションの構成の検証をクリックします。

構成の検証ウィザード画面が表示されます。次へボタンをクリックします。

サーバーまたはクラスターの選択で、クラスターを構成するサーバーを選択します。下図では参照ボタンをクリックして2台のサーバーを選択しています。次へボタンをクリックします。

テスト オプション画面で、検証するテストの内容を選択します。すべてのテストを実行するが選択されていることを確認して次へをクリックします。

確認画面が表示されます。次へボタンをクリックします。

テストが実施されます。正常に完了したことを確認して完了ボタンをクリックします。

構成に問題ないことを確認したらクラスターを作成します。フェールオーバークラスターマネージャーの画面で、管理セクションのクラスターの作成をクリックします。

クラスターの作成ウィザードが起動します。次へボタンをクリックします。

サーバーの選択画面が表示されます。参照ボタンをクリックしてクラスターを構成するサーバーを選択します。次へボタンをクリックします。

クラスター管理用のアクセス ポイント画面が表示されます。クラスター名とクラスター用のIPアドレスを入力します。次へボタンをクリックします。

クラスターの作成が行われます。完了ボタンをクリックします。

以上でクラスターのセットアップが完了します。作成したクラスターに接続された状態でフェールオーバークラスターマネージャーが表示されます。クォーラムディスクやデータ用のクラスターディスクは自動的に設定されます。ドライブ文字を変更する場合は、下図のようにツリーの記憶域をクリックし、センターペインに表示されるディスクを右クリックし、ドライブ文字の変更をクリックします。クォーラムディスクの変更など必要に応じてセットアップ後の処理を実施します。

4. まとめ

説明は以上です。誤り、指摘点などあればご連絡ください。

そのほか参考情報。Windows Server 2008/2008R2 では、ローカルシステムアカウントでクラスタサービスが実行されるようになったという記載が概要と要件のリンクの一番下にありました。

フェールオーバー クラスターの設定の変更
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc753341.aspx
Windows Server 2008 R2 を実行するフェールオーバー クラスターの概要と要件
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff182359(WS.10).aspx#BKMK_Account_Infrastructure

クラスターの設定が完了した環境に対して[Windows] Windows Server 2008R2 フェールオーバークラスター上にファイル共有を設定するでファイル共有の設定方法を記載しています。