Dynamics CRM 2011用のOutlook クライアントでは、条件付き書式を設定することで、レコード一覧でのレコードの行レベルのフォントの書式を変更できます。たとえば、太字で下線、赤色の書式等を設定できます。これは、 Webクライアントでは提供されない強力な機能です。今回はこの機能を試してみます。

動作確認環境

  • サーバーは、Windows Server 2008 R2上に構築した Dynamics CRM 2011 UR 5 単一サーバー展開環境
  • クライアントは、 Windows 7 Enterprise 32bit, Outlook 2010

条件付き書式については次のURLでも紹介されています。

レコードの一覧で特定のレコードに色付けできますか?
http://technet.microsoft.com/ja-jp/cloud/crm_faq14
Dynamics CRM 2011 Beta 版 - Outlook クライアント2 : 条件付き書式
http://blogs.msdn.com/b/crmjapan/archive/2010/10/22/microsoft-dynamics-crm-2011.aspx

本記事では、Dynamics CRM 2011用のOutlookクライアントインストール済み、組織の構成済みであることを前提とします。Outlookクライアントのセットアップとコンフィギュレーション方法は[Dynamics CRM 2011]Dynamics CRM 2011用Outlook クライアントのインストールとコンフィグレーション を参照ください。 

1. 条件付きの書式設定と動作確認

今回は、取引先企業のレコード一覧のビューに対して条件付き書式を設定してみます。Outlook を起動して、ナビゲーションメニューに表示される設定した組織のボタンをクリックしてください。表示されるメニューのワークプレース→顧客→取引先企業をクリックして取引先企業の一覧を表示します。リボンのビュータブをクリックしてビューの設定をクリックします。もしくは、リスト一覧を右クリックして、コンテキストメニューのビューの設定をクリックします。

 ビューの詳細設定(Advanced View Settings) 画面が表示されます。この画面から、列表示するフィールドの追加/削除、グループ化項目や並べ替え、ヘッダと行のフォントの書式設定と確認を行えます。今回は条件付き書式の設定をするので条件付き書式をクリックします。

条件付き書式画面が表示されます。追加ボタンをクリックします。

無題という名前で追加されるので、適当な名前に変更し、フォントボタンをクリックします。

フォントダイアログが表示されます。条件に一致したときに行に適用するフォントの書式を指定します。ここではフォントにMS Pゴシック、スタイルに太字、サイズを12にしています。文字の色は赤にしています。書式の設定が終わったらOKボタンをクリックします。

条件付き書式画面に戻ったら、条件ボタンをクリックします。下図のフィルター画面が表示されます。今回は更新日時が特定の範囲の場合という条件を追加してみます。高度な検索タブのフィールドドロップダウンをクリックします。

表示される項目のすべての履歴フィールド→更新日時を選択します。

検索条件の設定で、条件を "次の値の間"、 値に対象とする日付を入力します。今回は2010/12/01 and 2011/12/01 としています。一覧に追加ボタンをクリックします。

一覧に作成した条件が追加されます。OKボタンをクリックします。

条件付き書式画面に戻ります。準備ができたので OK ボタンをクリックします。

条件付き書式画面が閉じると自動的にビューがリフレッシュされます。

次回同じビューを開いたときに条件付き書式の設定が反映されるようにするにはビューを保存する必要があります。条件付き書式の設定は、システムビューには保存できません。システムビューに対して書式設定をした場合は、リボンのビュータブにあるファイル名を付けて保存を行います。個人ビューの場合は、フィルターの保存をクリックして個人ビューを保存します。

2.まとめ

説明は以上です。文字のみですが、行単位でフォントの書式を設定できるようになります。書式適用条件にエンティティのフィールド同士を比較することができればさらにうれしいのですが、そこまではできないみたいです。ここらへんは、フィルタ機能がエンティティのフィールド同士に対して何らかの比較条件を設定することができないのと同じです。