Microsoft Dynamics CRM 2011 New Featuresのレビューを行います[予告]

Dynamics CRM の MVP である、Darren Liu と Jim Wang が著者となっている書籍 "Microsoft Dynamics CRM 2011 New Features"  e-book をいただいたので、レビューを掲載します。本書は New Features というタイトルがついていますが、ソリューションや強化されたデータインポート,開発に使用する REST (およぼSoap) Endpoint ,Share Pointインテグレーションや,リボン,チャートだけを取り上げているのではありません。詳細はSDKや実装ガイドなどで補足する必要があるものの、Dynamics CRM 2011および必要なソフトウェアコンポーネントのセットアップや、プラグインの開発など全般的に開発およびインプリメントに必要なトピックを取り扱っています。ページ数が288ページとなっているので、全体の機能を同じウェイトで説明されているわけではありませんので注意してください。英語ではありますが、平易で読みやすい文章になっています。

本書では、New Features といっても、Dynamics CRM 2011 アプリケーションとしての使い方の説明がないので、IT プロフェッショナルや 開発者 向けになりますので注意してください。

 

PacktPub のページや アマゾンでも確認できますが、目次を掲載します。

Chapter 1: Setting Up the Development Workspace
Chapter 2: System Design and Configuration
Chapter 3: Data Import
Chapter 4: Client-Side Programming
Chapter 5: Server-Side Programming
Chapter 6: SharePoint Integration
Chapter 7: Charts and Dashboards
Chapter 8: Extending Microsoft Dynamics CRM 2011 in the Cloud
Chapter 9: Sitemap and Ribbon Customization
Chapter 10: Packaging It Up

本書ではDynamics CRM 2011上に 架空の Airline Compensation Management System (ACM) を実装するというシナリオで目次にある順番で、CRMのセットアップやコンフィギュレーション、データインポートや開発(クライアント、サーバーサイド)、Share Point インテグレーションや チャート, ダッシュボード機能の開発、ポータルアクセラレータのAzureへの展開や リボン、ソリューションの解説がされています。

本書のよいところとして、Dynamics CRM 2011を取り扱った書籍であまり解説が詳しくされないもしくはあっさりめに解説されるだけの Share Point 統合やカスタマーポータルのコンフィギュレーションとデプロイが掲載されている点が挙げられます。データインポートも新機能の説明で contact エンティティをインポートしたときにメモを一緒にインポートす機能や1ファイルで複数のエンティティをインポートするなど取り上げられにくい、細かめな解説がされているのもよかったです。ソリューションを使用した場合のパッチの適用の仕方など実践的なノウハウが学べたもの良いと思います。

冒頭でも述べました通り、ページ数の関係もあると思います(洋書としては薄い) が、クライアントサイドやサーバーサイドの開発についてサンプルが掲載しているものの網羅的に理解するには SDK で補足する必要があります。リボンなども細かい解説があるわけではありません。より詳細な理解が必要な場合は SDK で補足する必要があります。

Dynamics CRM 4を知っていて新しいもしくは強化された機能を知りたいIT Professional, 開発者が購入されたり、2冊目の本としてよいのではないかと思います。