親パーティションの管理OSをバックアップするとHyper-V上の仮想マシンも同時にバックアップされます。Hyper-V用のVSSライタを使用するとWindows バックアップを使用して、実行中の仮想マシンのVSSバックアップ(ダウンする必要なし)を作成できるようになります。
今回は、Hyper-V用の VSS(ボリュームシャドウコピーサービス) ライタを使用して 実行中の仮想マシンのバックアップを作成できるようにします。
Hyper-Vサーバーで仮想マシンのゲストOSをVSSバックアップするには、次のことを満たす必要があります。
- 管理OSでHyper-V VSS ライタを有効化する
- ゲストOSにHyper-V統合サービスをインストールしている。
- ゲストOSがVSSをサポートしている (XPや2000はサポートしていません)
- ゲストOSが統合サービス、VSSをサポートしない場合、ゲストOSをシャットダウンまたは保存する必要がある
復元時にはすべての仮想マシンを復元する必要があるため、実運用で仮想環境を使用する場合はSystem Center Data Protection Manager でバックアップ、復元を行うことになると思います。
Windows バックアップの機能を利用したHyper-VのVSSバックアップ・回復に関しては以下のKBが役に立ちます。
How to back up Hyper-V virtual machines from the parent partition on a Windows Server 2008-based computer by using Windows Server Backup
http://support.microsoft.com/kb/958662/en-us
1.Hyper-V VSS ライタを有効化する
管理OSのレジストリエディタをファイル名を指定して実行画面にregedit と入力して起動します。
レジストリエディタが起動した後、次のキーまで展開します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion
CurrentVersionを右クリック→新規→キーを選択して、 WindowsServerBackupというレジストリキーを作成します。
同様にWindowsServerBackup にキーApplication Supportを追加します。Application Supportにキー {66841CD4-6DED-4F4B-8F17-FD23F8DDC3DE}を追加します。
{66841CD4-6DED-4F4B-8F17-FD23F8DDC3DE}を右クリック→新規→文字列値をクリックしてApplication Identifier というレジストリのエントリを作成します。Application Identifier を右クリック→修正で値にHyper-Vを入力します。
下図がHyper-V の VSS ライタを有効化するレジストリ設定が完了した状態です。
以上で管理OS側でHyper-V用のVSSライタの有効化が完了です。
Hyper-Vのバックアップを行う場合は、Hyper-Vの設定(VHDやスナップショットなど)が含まれるすべてのボリュームを含める必要があるので注意してください。詳細は記事のはじめに紹介したKBを参考にしてください。
2.Hyper-Vを復元する処理
Hyper-Vの設定を含むすべてのボリュームをWindows バックアップを使用してバックアップをすると、回復処理時にアプリケーションのHyper-Vのみを回復できるようになります。
下図でWindows バックアップの回復ウィザードの途中です。Hyper-Vのみ回復する場合、回復の種類の選択でアプリケーションを選択して次へボタンをクリックします。
下図はアプリケーションの選択、画面の図です。Hyper-VのVSSライタが有効になっているとアプリケーションにHyper-Vが選択できるようになります。
上手で詳細を表示すると、復元項目に Initial Store というものが表示されます。下記TechNet のリンクの内容から既定で隠しフォルダのC:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-Vに作成されるInitialStore.xml ファイルのことらしいです。InitialStore.xml はリモート管理を行えるようにする承認マネージャで使用するためのファイルです。
Hyper-V VSS Writer : Initial Store
http://social.technet.microsoft.com/Forums/en-US/winserverhyperv/thread/1c56cbb7-0ed3-4923-900c-cb45db8a2af9
3.まとめ
今回の説明は以上です。
指摘などありましたらご連絡ください。
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